こんにちは、設計の松木です。
本日は、木材に塗布する塗料の特徴について記載していきたいと思います。
木材に塗装を行う目的は大きく分けて、
1、雨や紫外線から保護する
2、汚れをつきにくくする
3、仕上げを綺麗にみせる
の3点があげられます。
木材塗料には大きく分けて「浸透タイプ」、「造膜タイプ」の2種類があります。
浸透タイプ
塗装は素材に色付けをする以外に、素材を保護し劣化を防ぐ目的があります。
「浸透タイプ」は、木材の内部まで塗料を浸透させて色付けする塗料で、防虫・防腐などの効果があります。
造膜タイプに比べると、耐水性や耐久性が劣るため、塗り替え時期は早くなりますが、
比較的扱いやすく手軽に塗りなおしができます。
塗料に含まれる樹脂やオイルなどの成分がしっかり浸透するため、触れたときの木の質感が残りやすく、木目も引き立ちます。
カウンターと引手部分は浸透系の塗料を採用し、木の質感を引立たせ、面材部分(白の塗りつぶし)との対比を図った仕上げ
造膜タイプ
ペンキ・ニスなどが代表的なもので、木材の表面に塗料の膜を造って色付けする塗料で、水や汚れなどの外部の影響から遮断する効果があります。
表面の仕上がりは樹脂の被膜のような質感になり、木目や木の質感は抑えられます。
また、ペンキは隠ぺい力が強いため、色を均一に塗りつぶすことが可能です。
表面のツヤ感が出ることも特徴になります。
奥の両開き戸が目立たないように壁の色に合せて仕上げた例
弊社では木の質感・風合いを生かすために浸透タイプを一般的に使用しております。
キッチンや洗面など水がかかる部分には手入れがしやすいように造膜タイプ(ウレタン塗装)で仕上げております。
居室や収納などの内部は、身体に害のない植物油で構成されたオスモ社の塗料を主に使用しております。
浸透性の塗料を塗ることで木の質感が引き立つとともに、飴色の仕上がりに。材種により色の濃さは異なってくる
外部は造膜で木材を保護する商品が多いですが、内部同様に木の質感が生きるように耐久性の高い浸透性の塗料(ノンロット)を使用しております。
木製の玄関ドアと合わせて着色した玄関ポーチとウッドデッキ
先日、見学会をさせていただいた「和瓦の別府青山の家」では外部の塀と木部にウッドロングエコ(https://mitsurouwax.com/cont02/)を使用いたしました。
こちらの商品は、木材の腐食の原因である腐朽菌の活着を抑え、木材の表面を保護する水性木材防護保持剤で木本来の表情に変わっていくことを楽しむことのできる塗料になります。
金額も先に記したノンロットと変わらないため、経年での風化を楽しみたいかたは、是非選択してみてください。
本日はこちらで失礼いたします。